平成21年度第2回文京区障害者地域自立支援協議会 平成22年3月19日午後3時〜5時 文京シビックセンター3F障害者会館A・B 出席者 会長:高山直樹 副会長:古川俊一 委員:安達勇二、瀬川聖美、川岸恵理子、佐藤良行、筒井幸代、中村雅則、松下功一、森田妙恵子、行成裕一郎、佐々木治、細川えみ子、佐藤真魚、大久保延広、國村紀子 幹事:椎名裕治、高橋秀代、佐藤壽志子、伊佐間陽子 (合計20人) 委員以外の報告者:渡邊了 協議会の概要 開会と事務局から報告 午後3時00分〜3時25分 会長挨拶〜福祉センター及び教育センターの建て替えについて報告・・・・・・特命担当課長より報告 報告検討事項 午後3時25分〜5時00分 平成21年度文京区障害者地域自立支援協議会の開催状況について 各専門部会の検討内容について 平成21年度相談支援専門部会まとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・各部会長より報告 平成21年度就労支援専門部会まとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・各部会長より報告 平成21年度権利擁護専門部会まとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・各部会長より報告 来年度の文京区障害者地域自立支援協議会に向けて・・・・・・・・・・事務局案のとおり 会議録【要点筆記】 会長挨拶 高山会長 現在、障害者政策を大きく変えようという動きがある。特に障害者の権利条約の批准と総合支援に関する法が検討されている。また障害者差別禁止法、障害者虐待防止法の議論も進んでいる。それら動きにあわせて、障害者地域自立支援協議会のあり方は重要な位置を占めてくる。特に今年はこの協議会の下に相談支援、就労支援、権利擁護の3つの専門部会を作り、それぞれ協議をしてきた。今日は、その報告を伺いながら、自立支援の在り方を考えていきたい。私は、国において障害者の虐待防止の検討に関わっている。その中では、相談支援、就労支援、権利擁護の3つの部会が連携してかかわる必要性が見えてきている。文京区はそれを先取りしていて部会を立ち上げている。将来的な制度の在り方も視野に入れながら、みなさんからの報告を伺いたい。 事務連絡(委員の出欠の状況の報告、配布資料確認) 高山会長 本日の議題の前に、福祉センターの教育センターの建て替えについて骨子がまとまったとのことである。この建て替え計画と本協議会の関係は深いので、まず担当課長からその報告を伺い、今日の議論にも生かしたい。 福祉センター及び教育センターの建て替えについて(案) 渡邊特命担当課長 この資料は、2月5日の文京区議会厚生文教連合審査で了承をいただき、区の庁議報告も済んでおり、今後正式に決定していく。 <以後、席上配布資料を読み上げる。> 安達委員 この建て替え計画で精神障害者の部分は入らないという認識でよろしいか。 渡邊特命担当課長 基本的には現福祉センターの拡充整備していくという方向である。現行にない精神障害者の施設の計画はない。しかし就労訓練としての喫茶コーナーは三障害を対象とする予定で、精神障害の方もご利用になれると思う。また相談支援事業も障害の別はないので利用できる。施設として精神障害の方の施設はないが、活用できる設備はある。 佐々木委員 福祉センターを建て替え計画はなかなか形にならなかったが、ようやく具体的に進めることになった。 安達委員 民設民営で運営する法人は、これから公募か。喫茶コーナーのはどこがやるのか。 渡邊特命担当課長 公募である。喫茶コーナーは、現時点では民設民営の事業者にお願いしようかと考えている。 安達委員 ここの中で公設公営の部分はどこか。 渡邊特命担当課長 福祉センターのでは、追加資料の(3)と(6)以外は区が実施する。ただ運営については、業務委託や、指定管理とか、さまざまな形が考えられる。 安達委員 広さはどのくらいで、何階建てか。 渡邊特命担当課長 全延べ床面積が7,200平方メートルで5階建てである。日陰の規制と、土地が東西に長いので5階建てを想定している。 高山会長 区が建設して法人に貸すという形の民設民営のため、区との連携は相当、図られるとおもうが、どうか。 渡邊特命担当課長 区の建物の中に入っていただくため、協定等をむすんでその法人と連携し二人三脚でやっていくことになると思う。 高山会長 今後のスケジュールはどうか。 渡邊特命担当課長 平成27年4月に供用開始予定である。来年度、9月を目途に建物基本プランを作成したい。その後は、法人の選定、設計事務所の選定を進める。 筒井委員 各階に子育てひろばや高齢者の関連施設など、地域の人が使えるようなフロアがあるのか。 渡邊特命担当課長 どのフロアにどんな機能を置くかは、それぞれの事業の特徴や性格によってある程度決まるだろうと思っている。その辺を来年度早々基本プランの策定する会議体の中で関係する区民のご意見を聞きながら決めたい。 高山会長 いずれにしろ文京区の中で拠点となる施設ということか。 渡邊特命担当課長 ボリュームは現行の福祉センターの倍である。 安達委員 相談支援事業としてその拠点となるのか。 渡邊特命担当課長 建て替え検討委員会の報告書に、中心的な相談支援事業と記載をしている。また、それには地域自立支援協議会等との連携の必要性にも触れているため、本協議会からで意見をまとめていただければ、できる限り反映させていきたいと思う。 高山会長 是非、反映していただきたい。 安達委員 教育センター等の広さはどのくらいか。また運営はどのようになるのか。 渡邊特命担当課長 延床面積は6,200平方メートル、教育センターが共用部分を除いて3,040平方メートル、福祉センターの療育部門が1,200平方メートル程度である。運営は、区が担う予定である。 安達委員 現行ある機能で移行するのはどれか。 渡邊特命担当課長 教育センター機能と福祉センターの療育部門である。青少年プラザは新規の機能である。今回の教育センターは子どもをキーワードに施設整備を図る計画である。基本プラン策定のため、来年度から検討体をつくる計画である。参考に福祉センターの方の広さもお知らせする。1の高齢者部門595平方メートル、地域便益部門845平方メートル、障害者入所3,555平方メートル、子育てひろば300平方メートル、ショートステイが100平方メートル、喫茶コーナーは地域便益部門に含まれ、100平方メートル程度と考えている。以上。 <特命担当課長退席> 高山会長 それでは次第に入る。開催状況について説明をお願いする。 平成21年度文京区障害者地域自立支援協議会の開催状況について 椎名幹事 これまでの開催状況について報告する。 <以後、資料1を読み上げる。> 高山会長 何か質問はあるか。それでは、各専門部会の検討内容について報告いただきたいと思う。まず部会長の報告の後に、質疑応答を行い、次の部会へと移る。はじめに、相談支援専門部会の部会長の安達委員から報告をお願いする。 各専門部会の検討内容について 安達委員 資料2-1に基づき相談支援専門部会まとめを報告する。 <以後、資料2-1を読み上げる。> (口頭での補足説明資料2-1、P2の下段第3回平成22年1月18日、事例の検討身体障害者の事例について)身体障害者の事例は70歳過ぎの単身男性で、日中は福祉作業所に行っているが、福祉作業所のサービスだけでは生活維持が難しくなり、介護保険との連携が必要になってきたケースである。 (口頭での補足説明資料2-1、P3の上段精神障害者の事例について) 精神障害者の事例は、60半ばの女性の単身者であり、被害妄想等あり、関わる人が限られてしまう事例であった。認知症もありそうで、どのようなアプローチが必要か悩まれるケースである。 (口頭での補足説明資料2-1、P3の中段知的障害者の事例について) 知的障害者の事例は、20台の男性の方で、両親を亡くし、一時的に他の地域のショートステイを利用されているが、文京区で引きつづき生活したいと考えている方の事例であった。 高山会長 何か補足することや質問等があるか。 細川委員 この3障害の事例は、どのような観点で選ばれたのかを、教えて欲しい。また下命事項の(3)の困難事例の検討と定例的な場が必要と言うことであれば、もう始めればよいのではないか。 大久保委員 身体障害者の事例は身体障害者福祉司から出した。ネットワークとか連携の必要性が話題となっていたので、ひとつの組織だけでは対応できないような事例を選んで提案した。 行成委員 精神障害者の事例は、私から出した。他の資源や支援をする方と連携を取る場合、困難を感じる事例である。また年齢的に、自立支援から介護保険に移行も絡んでくるということで、テーマに沿うと思い提案した。 佐藤(真)委員 知的障害者の事例は、知的障害者福祉司から出した。通所施設の利用者の事例で、相次いで両親をなくされ対応が必要なケースであった。今は短期入所でつないでいる。今後は本人の希望の実現に何が必要となるのか、足りないものや、ネットワークのありかた等について、事例を提案し検討を進めていきたいと考えた。 椎名幹事 相談支援専門部会の中では、全委員から事例の提案をいただき、その中から、ネットワークの必要性や困難な事例等、議論を深められそうなものを取り上げて検討をしてきた。 細川委員 現実に、それぞれの事例は具体的に進展したのか。 高山会長 基本的にケース検討会議ではなく、問題抽出のための事例である。けれども、それぞれの現場レベルでは課題が整理されたと思う。専門部会は何かを決定していくという場ではない。 大久保委員 現場レベルでの整理としては、身体障害者の事例では、本人が通所施設を利用していたので、当初身体障害者福祉司と介護保険部門と個別支援会議を開いていた対応を検討していた。そこに社会福祉協議会の地域福祉権利擁護事業の利用者でもあったため、連携すべきとの意見があり、視点を広げて検討することにつながった。 佐藤(真)委員 知的障害者の事例を検討した効果では、支援者が積極性と迅速性をもって集まり、課題解決の方向性を共に見出す下地ができつつあると感じている。これまでのケア会議とは違った連携への、ひとつの芽生えになったかと思う。 細川委員 フェイストゥーフェイスのネットワークが大切で、困難事例を含めた連携が必要な事例を共に検討し、実際に協力体制が構築されれば、それがこの下命への答えとなる。事例検討会の定例化が良いのでは。 高山会長 検討をしていて、やはり3障害がばらばらで、自分のところしか見えてないと言うのがわかった。そうゆう意味では、部会をやることで、フィードバックし合う関係ができたのではと思う。また、定期的な場所の問題よりも、事例に応じてどのように集まるかを、話し合ってきていたと思う。 安達委員 定例化する際、どこが旗振るのかいうのが、議論になった。 細川委員 障害福祉課が中心となるのか。 安達委員 部会ではその参考として高齢者の地域包括支援センターの話を聞いた。また、現状の機関が役割を担うことも考えた。 細川委員 高齢者の地域包括支援センターみたいなものを作るわけにはいかないと思うが、今あるもので始めればどうか。 椎名幹事 部会の最後にこれらの議論が深まってきたところである。今後検討を深めていくのかと思う。 古川副会長 議論を明確化したい。相談支援部会は事例検討を継続し、また困難事例の検討会は別に立ち上げていくという流れか。 高山会長 困難事例の検討会では、事例が中心の話となる。相談支援事業者が困難事例と思ったケースは、等と連携を取って随時検討していく話だ。定例の検討会を作ると結論が出ているわけではない。 安達委員 とにかく、個別の事例検討会を続けていこうということである。 佐藤幹事 確か、槐の会からでの事例だったが、召集の範囲や方法の困難性について話があった。私は、その場合、その事業者がコーディネートするのは無理だということだと思う。精神障害のケース会議をやる場合、それは保健所がやる。子ども家庭支援センターもやっていると思うが、その形式を誰かが急にやるのは難しいと思う。定例会としてシステム化してしまったほうが、合理的かも知れない。 高山会長 ケースによって集まる人が異なるため、定期的な場で定例的な人で済むとは限らない点が難しい。誰がそれをコーディネートするのかだ。 佐藤(真)委員 もそうゆう形でかなりケース会議を開いており、も一つのコーディネーターになるが、現場が役所以上にノウハウを持っている場合もあるので、現場を中心に一緒になってやっていきたい。 佐藤幹事 一緒は無理だ。集める場合は一箇所で集める必要がある。ケースのサポートのノウハウではなくて、旗を振るノウハウは役所の方があるのではないか。 細川委員 ベースの人が何人か置いて、そこに事例に関与する人も加わる形式という、緩い会議体が考えられる。 椎名幹事 イメージとしては、そのような形もある。 佐藤(真)委員 これからワーキンググループとかをやるに当たって、今後の課題として考えている。 古川副会長 議論の整理をしたい。相談支援専門部会で事例検討を定期的にやっていたと思う。そして今は、相談支援専門部会の話をしているのか、困難事例を検討する別な検討会を始めるという話なのか。 高山会長 相談支援専門部会で困難事例を検討する意義は、どのようなネットワークが必要なのか、コーディネートはどこするのかを明らかにしていく意味が強い。何か事例検討をして結論を出していくのではない。ネットワーク、関係性、役割分担を明らかにしていくのが、地域自立支援協議会の役割である。具体的な課題解決の検討や定例的な場は、それとは別に普段の仕事としてやってくださいということだ。行政にかかわらず、相談支援事業者はやるということだ。 細川委員 行政が果たしてやりなさい、ということではないのか。 高山会長 もし行政がやらなかったら、相談支援事業者は行政に行かなくてはならない。相談支援事業が困難事例を持っている場合に、行政を巻き込んで検討を進めていくものだ。 安達委員 私もそのあたりは、いろいろと混乱がある。精神の方の困難事例では、実際は関係者が集まって相談するということをやっている。その中で、実際の対応や、問題解決への決定も大事である。また事例を吸い上げ、システム的にノウハウを蓄積するための議論ができるか、またそのための場があるかどうか、まさにこの相談支援部会みたいになことだと思う。つまり実際の困難事例に対して、我々が日常やっていることが、ここで言う困難事例を検討する定例的な場の意味合いとなるのか。 佐藤幹事 この定例的という言葉の意味を深めていく必要があるのではないか。 椎名幹事 専門部会の検討は事例を通じてシステムを作っていきましょうという話である。それともうひとつ困難事例を定例的にというのは、現在、行っている具体的な解決をそこでするような個別支援会議とは違った形で、より広い視点から解決策を検討しようとするものである。 佐藤幹事 月一回や月二回などと決めたりする方がシステム的に乗りやすいと思うが。 椎名幹事 頻度等についても今後、深めていこうということである。 古川副会長 それでは、話を戻す。相談支援専門部会が困難事例の検討を継続していくという話ではないということか。それであればすっきりする。 高山会長 全体的にワンストップの相談体制とネットワークとコーディネートがずっと議論されてきたという感じである。3障害で1事例づつしか検討をしていない。少し見えてきたかなとの感じはあるが、より望ましい形を追求することが来年度の課題となっている。 それでは、次の就労支援に移りたいと思う。部会の部会長の川岸委員にお願いする。 川岸委員 就労支援部会は相談支援と違い、今年2回の開催になっている。しかし同じメンバーによる就労支援連絡会が6回あったので、顔を合わせる機会は多くあり、そのつどそれぞれの課題の検討は行ってきた。 <以後、資料2-2を読み上げる。> (口頭での補足説明)1事業所だけではフォローができないような場合のグループ就労的なしくみもできないかという話も出た。それについては、雇用就労とするのか就労へ向けた準備作業との位置づけとするかによっても、検討内容は変わってくるという話がでた。 現状認識として課題を明らかにするため、各委員の中で困っている点や、それについて対処する方法は何かを報告してもらっている。部会の委員が多いこともあり、現時点では報告をいただいたところまでであり、課題の整理などについては、今後に持ち越す形となっている。 高山会長 ありがとうございました。その他の就労支援専門部会の委員の方、どうか。 行成委員 ハローワークに出ている障害者の雇用掲示は、ハードルが高い。精神障害者には、もう少し柔軟に時間や、曜日、週3日とか土日だけ等の仕事があると支援しやすい。ただし厳しい社会情勢の中、体力のある企業は少ないのもわかる。支援する施設側の努力として、たとえば地域で少しの時間でも雇ってくれるようなところを探してみることも必要ではとの議論もあった。 伊佐間幹事 就労支援に関しては身体の方、精神の方、知的の方の支援へのアプローチの手法が全く異なることが理解できた。それぞれの障害を支援する側にも違いの認識を共有できことに大きな効果があったと思っている。部会長がハローワークの統括官でもあり、各委員からハローワークが身近になったという話もあった。 高山会長 基本的に就労支援となると、対象となる範囲が文京区内だけではなくて広域的になる。その点で難しい面もあると思う。その中で文京区内ならではの課題というのは、浮かび上がったか。ハローワークは他の区も管轄しているが、どうか。 椎名幹事 もともと就労支援連絡会という母体があり、それを有効に活用する形で就労支援専門部会となっている。多くの委員を擁しており、各障害によってアプローチも異なるため、検討の切り口を定めるためにも、現状と課題の整理を丁寧に始めているところである。先ほどの報告にあったように、途中経過という感じである。まだ課題の明確化や、文京区の特徴を見出すところまで至っていない。 川岸委員 確かに就労では企業を意識したものを考えなくてはいけない。文京区でも福祉的就労としてシュレッダー作業などの実習をさせてもらえるような企業に呼び掛けをするなどはあるかと思う。 高山会長 では就労支援専門部会はこれでよろしいか。次は権利擁護専門部会で中村委員に報告をお願いする。 中村委員 8ページをお開きいただきたい。下命事項は3点である。これまでに三回部会を開催し、検討を行ったのは下命事項についての(1)のみである。それ以外は今後ということになる。 <以後、資料2-3を読み上げる。> 高山会長 他に参加されていた委員の方、どうか。 松下委員 明らかな虐待ではないが、日常の中に権利を侵害している場面は、多々見受けられると感じた。良かれと思ってやっていることでも、権利を侵害していることもある。家族や支援者が当然やっており、また当然やらなければならないことでも、ひとつ説明が足りないがために、知らず知らずのうちに権利侵害になっている場面もかなりあるだろう。その中で、数多くの事例を検討できた部会であったと思う。そして権利侵害は生活のあらゆるところにあると、委員のなかに確認がされたと思う。これを積み重ねて、権利擁護意識を高めていくことが、この部会の意味であったのだと思う。ただの勉強会で終わらせず、第一歩として踏み出していける一年であった。 高山会長 権利擁護については幅広い範疇であり、さまざまな角度から議論がされた。社会福祉協議会がやっている地域福祉権利擁護事業あるいは成年後見制度が、どう権利擁護のネットワークの仕組みの中に入っているかと考えると、まだまだこれからという感じであった。部会長からの報告でも、高齢者は区長申し立ての実例はあるが、障害者の方は実例がないとあった。しかしニーズはたくさんあると見えてきたのではないか。そうゆう意味で成年後見は区の取り組みが重要となる。特に区長申し立てはなおさらである。4親等以内の親族を探す権限から、区がやるしかない。また就労支援や相談支援とも連携が必要とも感じたが、どうか。 椎名幹事 認知症高齢者についても成年後見制度ができた。当初は利用件数が少なかったが、漸増し相当件数になってきた。一方、知的障害と精神障害に関して、具体的な事例がなかったということもあったが、ニーズがないわけではない。制度としては当然、知的障害も精神障害も区長申し立てができるので、どのような形で対応するのが一番効果的かを整理していく必要があるとの議論があった。 なお資料について捕捉をするが、9ページの中段、(3)第3回検討事例にある「等ではサインを見のがさない」との記載は、過去に見逃していたというのではなくて、一般的な相談の窓口のなかでも常にアンテナを張ることが大切という意味であるので誤解のないようにお願いしたい。 高橋幹事 自立支援協議会に、なぜ権利擁護専門部会が必要なのかということを考えてみたいと思う。障害のある人のうち、権利擁護を主張できない方がいるということが核心である。報告書の10ページの意見に、権利擁護の観点からあくまで本人の意思が重要であるとか、今後は本人の意思確認と望ましい自立生活をいかに融合させるかとある。たしかに身体障害の方で、ある程度表現できる人ならそうかもしれない。しかしそうではない方にとって、本人の意思をどのように確認するのか、何を一番やりたい、何が望ましいと言えない方にとって、いかにその方の生活や幸せを追求していくか、誰がそれを決めるのか、が課題である。そのために3つの部会が、それぞれ連携しながら望ましいネットワークを作っていかないと、ただ会議を作っただけになってしまうと思う。 高山会長 判断力が低下している方々の権利擁護は、成年後見制度だけでは無理であり、ネットワーク中でどのように支援していくのかを考えていかないとならない。 安達委員 検討した事例はいくつぐらい出されたか。 中村委員 各委員から最低1つは出て、計10以上あったと思う。ただそれが身体、知的、精神の事例であって、それぞれが財産関連の事例、差別的な事例もあった。差別と言っても、銀行の窓口の差別から、手続き上の差別など、切り口がたくさんあると思う。 椎名幹事 事例の検討は他の部会では、自分の事業現場での事例が中心であるが、権利擁護専門部会では、各事業所で実際にあった事例の報告というわけではない。こんな事例があった、知っているという紹介である。 中村委員 広く日本全国的に含めて、事例を挙げた。 松下委員 文京区内の事例もある。 高山会長 全体を振り返って専門部会について、何か意見はあるか。 筒井委員 皆さん熱心に議論していると感じる。私たちも民生委員という地域のボランティア資源として、すこしでも役に立ちたいと常に考えている。先日、東京都の自立支援協議会のセミナーが立川であり、東洋大学の小澤先生から自立支援協議会のお話を伺った。それらが本日の会とリンクしているのかなと思った。民生委員の中にも障害者福祉部会があり、その中でも何かできないかと勉強をしている。これからも、みなさんの役に立ちたいと考えている。 佐藤(良)委員 熱心な議論の経過と事例検討が行われたと、関心を持って拝聴した。私たちの業務とも関連することがあり、いくつか印象に残ったことがあった。感想と一件要望を言いたい。感想としては、本人の意思確認の方法、本人の意思と現実等の周りの状況とのすり合わせの難しさが、支援者側として共通する悩みがあると思った。また支援する側の条件整備として、支援のシステムを作っていく課題と、個別の支援をどう解決するのかという課題があると感じた。システム作りは、我々も行政と民間がどのように協力し合い、恒常的な協力体制をつくるかいろいろ検討している。個別事例の問題についてはそれぞれの局面で危機対応的な緊急の場合もあれば、見守りも含めたある程度長いスパンの支援となる場合もあり、それぞれ場面でケアの中心となる人をどうするか、支援をどうしていくのかを今後検討していくのかと思う。要望は、個別支援会議、ケア会議、事例検討会など会議体の名称がいろいろあって混乱する。会議の性格がわかるような用語の整理がされるとよい。 高山会長 今、本人を参加させていく会議が重要だと言われている。指摘いただいたケア会議、個別支援会議と事例検討会の名称を整理していく必要がある。 森田委員 虐待の問題で悩むことが大きい。たとえば都の研修に出ると、虐待の事例が挙げられ、芽のうちに摘もうといわれる。そして実際の現場に入っていると研修にあったような事例に出くわす。そこで芽のうちに摘もうと保険者に相談に行っても、すぐに対応するところと、様子を見ましょうというところとある。なかなか解決に結びつかない。一事業所がいくら努力してもなかなか解決には結びつかないため、難しいと思っている。 高山会長 虐待があった場合、どう緊急会議にするかというのは一つの議論のテーマになるかも知れない。どこがその虐待に対して迅速に介入していくか、それが重要になってきます。 國村委員 精神障害の場合、周囲も本人も病気の再発の可能性と、一般就労への険しい道のりに向き合うわけだが、安心して住みなれたところで生活をしていくために、各種制度やサービスを利用するという基本的なところに立ち戻ることが大切と思っている。また、高次脳機能障害の方の相談を担当する場がない。診断名の付かない狭間にいる人の支援は、最初の相談にかかわったところがしていく形になっている。それを最終的には診断名がついて、そのあと保健所や福祉との連携をネットワークで支援していけるよう、保健師の役割を果たしていければと思う。 細川委員 次年度に向けてとなるが、それぞれの部会が精力的に検討をしていただいているが、まだ入口である。最終的には何らかの成果物をまとめて報告すべきと思う。その締め切りを決めておいた方が良い。 椎名委員 平成21年度は専門部会ができたのが7月30日で、実際に動き出したのが9月であったため、短い時間での検討となった。そのため期間を特に定めていなかった。今後の協議会からの下命においていつまでに何が欲しいのかというとなれば、それに向けた検討となる。 高山会長 何か具体的に成果が表れた方がいいという意見が出た。その点も含めて、来年度の自立支援協議会の議題が最後に残っているので、資料3へ進む。 来年度の文京区地域自立支援協議会にむけて 椎名幹事 それでは11ページです。 <以後、資料3を読み上げる。> 高山会長 今の提案いかがか。 古川副会長 わずか半年ではあったが、皆さん良く検討していただいた。今後もまだ事例検討することろもあるし、現実的に何が必要かということに動いていくところもあるだろう。この方向性でいいと思う。 高山会長 では各部会長はどうか。 安達委員 ハイ。 高山会長 この協議会は、ようやくキックオフしたという感じである。そのため来年度は、どのようなあり方が望ましいかを、もう少し明確化しないといけないだろうと感じる。そこから、あり方が見えてきて、ひとつの成果になるのではないか。他に意見がなければ、これで終了とするが、来年度に向けて何かあるか。 椎名幹事 来年度、なるべく早めに第一回の協議会開催し、委員の委嘱を行いたい。 高山会長 皆さま、ごくろうさまでした。今日はありがとうございました。