文京区障害者地域自立支援協議会 第1回障害当事者部会 要点記録 【日時】平成27年7月23日(木) 15時から17時まで 【会場】文京シビックセンター3階 障害者会館会議室C 【出席者】山 直樹 (自立支援協議会会長) 志村 健一 (自立支援協議会副会長) 小和瀬 芳郎(障害当事者部会長・精神障害) 久米 佳江 (身体障害 区民公募) 天野  亨 (身体障害 区民公募) 四方田 敏幸(身体障害 区民公募) 土屋 功子 (難病) 石岡 美佐子(知的障害) 竹間 誠次 (知的・身体障害) 行成 裕一郎(相談支援専門部会長) 栗原 光弘(相談支援専門副部会長) 須藤 直子(文京区福祉部障害福祉課長) 以上 12名 1 開会挨拶 (小和瀬部会長 挨拶) 2 事務局挨拶(基幹センター説明・新機器の導入説明) 3 議題 【議題1:平成26年度 障害当事者部会の活動について】(資料第2号) 平成26年度障害当事者部会の下命事項に基づき各専門部会との意見交換を行った。 <実施状況> ・第1回(平成26年7月24日) 自立支援協議会及び各専門部会についての説明 相談支援専門部会との意見交換 テーマ[楽しいと感じる場所について/ ピアカウンセリングについて] ・第2回(平成26年11月27日) 就労支援専門部会との意見交換 テーマ[職場の理解について] ・第3回(平成27年2月19日) 権利擁護部会との意見交換 テーマ[日常生活での制限について/ 福祉サービスや医療の情報収集について] <各専門部会との意見交換> お互いの障害について理解できたことは、昨年度の障害当事者部会の 大きな成果。障害当事者部会以外にも、広げていきたい。 【議題2:平成27年度 各専門部会の下命事項について】(資料第2号) 平成27年度 各専門部会の下命事項は資料第2号のとおり。 平成27年度障害当事者部会下命事項 @ 各専門部会から付議された内容についての意見交換 ※付議(会議にかけること) A 当事者部会で検討された内容について、自立支援協議会(親会)への報告 B 障害当事者部会からの情報発信についての検討 (補足)席上配布資料:「当事者部会からの情報発信について考えてみましょう!」 について ○情報発信とは ・障害のある人が周りの人に向けて、いろいろな気持ちや考えを自分で伝えること。 ○今年度から、当事者部会を周りに知ってもらうための広報誌を作ってはどうか ・各委員の特技を活かした広報誌作りの提案。 ・サイズはA4、両面印刷で写真やイラストを載せる。 ・内容は当事者部会の説明や話し合いの要約、生活の中で嬉しいこと・困ること、将来の希望について、各委員の自己紹介の掲載など。 ○当事者部会の来年度の取り組みについて ・来年度も広報誌を作り、地域に発信してはどうか。例えば、各委員の体験など。 ・講演会などで話をしてみないか。 ○当事者部会で互いの意見を知ることができた。それが区民へ伝われば、素晴らしいことだと思う。 ○障害者権利条約が批准されたことで法律や制度の流れが変わる。障害者権利条約を私達が知らないと発信できない。来年4月からは障害者差別解消法が施行される。差別とは何か、生活のしづらさから発信できるといいのではないか。 ○情報発信の目的を文章化したほうが、話がずれなくてよい。 ○紙媒体は古い、強いのは映像。広報誌を基本として文字情報と写真をおさえ、その情報をインターネットに掲載、最終的には動画で流す。内容を面白くする工夫が必要。事務局主導でないと、現実問題として出来ないのでは?どう伝えていくか。 【議題3:相談支援専門部会からのテーマについて意見交換】(資料第3号) アンケートの説明(相談支援専門部会長 行成委員より) ○これから10年後、どんな暮らしや生活がしたいか。夢や不安について。 ○10年後に希望する暮らしや生活をするために必要なものについて。 ○可能であれば、文京区の政策に反映させていければと思っている。 ※事前に送付しているアンケートに沿って各委員に発表していただいた。 問1.皆さんは、10年後にどのような暮らしや生活ができたら良いなと思っていますか? 回答(抜粋) ○生きていれば、健康で、今のような普通の生活ができればよい。今の生活が一番幸せ。病気になると、迷惑がかかるから不安。できるだけ気をつけて生活しようと思う。 ○私の10年後は後期高齢者。幸せよりも、不安を感じる。自分達ベビーブームの世代を後の世代がどう養っていくか心配。 ○自然豊かな環境の中で、ゆとりある生活を過ごせればと思っている。 ○今の生活は、まあまあ幸せ。健康で仕事がそれなりにあって、家族や友人に囲まれ、 今の状態が続けられたら幸せ。 ○今の暮らしや生活がずっと続けていけたら良い。今は、幸せ。 生活は厳しいが、友達に囲まれ、幸せを感じている。幸せか不幸せかは、障害の 「ある・なし」だけで決まらないと感じている。障害のあるままでも自分らしく暮らしていきたい。 ○10年後は50代。今の職場の仲間と働いていたい。病気になって、倒れたくもない。今の生活を続けたい。寮生活を続けていたい。 ○親から自立してグループホームで一人暮らしをしたい。お金をもっと欲しいので仕事をしたい(知っている人がいる所で)。もっと出掛けたり遊んだりしたい。相談にのってくれる人も必要。 問2.みなさんは10年後の暮らしや生活を想像したとき不安や心配なことはありますか? 回答(抜粋) ○親の体が心配。自分も歩いたり体が弱くなったり、話が伝わらない、理解してもらえないことが不安。周りの人のことも気になる。 ○自分が倒れた時、介護生活になっているか不安。働いて収入があるか不安。友人関係が途切れないか不安。 ○老いや老後、介護が不安で心配。61歳ともなると、精神科以外の病気が不安。一番心配なのは、友達が死んでいくこと。とても寂しくなる。お金の不安もある。10年後の世の中は想像がつかない。 ○社会福祉のサービスがほとんど受けられなくなるのではと心配。日本は今社会保障費が毎年一兆円以上増えている。ヘルパーも足りない。借金も多い。家事援助やガイドヘルパーを出してもらえないと生活しづらくなる。 ○日本自体が心配。国の財政が悪くなると弱者にしわ寄せがいく。ASEANと連携して不足する職種を補ってはどうか。 ○自分は自分で守るしかない。難病者なので、いつ何どき、どうなるかわからない。 ○お金のことが一番心配。二人暮らしなので、夫が病気になり仕事ができなくなることが心配。 問3.みなさんが10年後に希望する生活をするために、どのような人やサービス、住まいやお金などが必要だと思いますか? 回答(抜粋) ○病気やけがをした場合に相談にのってもらえる環境。行政や友人知人等、協力が必要。 ○国自体が豊かさを維持していくことが重要。企業の障害者雇用について、いい条件で雇用してくれる所が必要。都や区が障害者アパートを準備すれば安心。 ○今の社会福祉サービスが質・量ともに維持され、発展、増加するといい。障害のある私達がつながっていることが重要。お互いの問題を共有していけるような、困った時に相談できる関係、サポートグループとのつながりを構築し発展させていくことが必要。車椅子で生活する大学の先生に聞いた、自立とは誰の助けも借りないことではなく色々な人や物に少しずつ依存していくこと、という話に気づかされた。依存できるものをたくさん持てるような環境作りが必要ではないか。 ○相談できる人(友人、精神保健福祉士、ピアサポート専門員、保健師等)。ヘルパー、医師、基幹相談支援センターや区役所の人。生活保護、ホームヘルプサービス。安い賃貸住宅、居住に良い環境。保護費、年金等、税金の控除。パソコンやインターネット。 ○お風呂やエレベーターがついている交通の便がいいアパートに住みたい。都営住宅に住みたい。自分が倒れたらヘルパーに来てほしい。食事サービス、職場まで付き添ってくれる人がほしい。 ○一人暮らしをするために、必要なこと(掃除・料理等)を練習する所があるといい。 問4. みなさんの暮らしや生活の中で頼れる人や欠かせないサービス、住まいやお金 などはなんですか? 回答(抜粋) ○親が一番頼れる人。支援員も話ができる。自分を理解してくれる人が必要。 ○頼れる人は寮の世話人。生活保護の担当ワーカー。区の手当をもらいたい。 ○友人・精神保健福祉士・保健師・医師、相談できる人。生活保護、自立支援医療、専門職の訪問。生活保護の障害者加算、生活保護の収入認定。生活保護の住宅扶助、における特別基準。生活保護費、アルバイトの給与、ピアカウンセリングの委託料。携帯電話、CDラジカセ、テレビ。 ○友人・知人、仕事。仕事で関わる人。ガイドヘルパー、家事援助ヘルパー。自分らしく人と付き合えるよう、柔軟な心でいられるようにしたい。 ○障害者向けの就労支援機関に登録、頼りにしている。 ○健康でいたい。家族に心配かけたくない。やりたいことがあるので元気でいたい。 ○全面的に夫に頼って生活しているので、夫がいなくなったら困る。相談できる環境は必要。 まとめ ・今の生活に幸せを感じている委員が多い反面、「10年後の生活について」は、 不安を感じる声が多く聞かれた。 ・「10年後の暮らしにおける不安や心配事について」は、自分の身体が弱ったり、病気になったりすること、また友人の死についても心配を感じていることが明らかにされた。 老後や介護、福祉制度、日本経済の今後についても、不安が述べられていた。 ・「10年後、希望する生活をするために必要なサービス、人、お金について」の質問に対し、相談できる人、支援者、都営住宅等の安い賃貸住宅、生活保護等の福祉制度、自立するための生活訓練の場、という意見が挙げられていた。 ・「生活の中で頼れる人や、欠かせないサービス等について」の質問では、相談できる人(家族や支援者)、友人、仕事、生活保護等の福祉制度、という意見が多くきかれた。