
文京区障害者地域自立支援協議会
第２回障害当事者部会　要点記録



【日時】平成26年11月27日（木）　午後1時から午後3時まで



【会場】文京シビックセンター3階　障害者会館 会議室C



【出席者】髙山　直樹 （自立支援協議会会長）
志村　健一 （自立支援協議会副会長）
久米　佳江 （身体障害 区民公募）
天野　 亨  （身体障害 区民公募）
四方田 敏幸（身体障害 区民公募）
土屋　功子 （難病）
石岡 美佐子（知的障害）
竹間　誠次 （知的障害）
小和瀬 芳郎（精神障害）
蜂須　米雄（就労支援専門部会長）
石澤　清光 （就労支援専門部会事務局）
須藤　直子 （障害福祉課長）



                                                           以上 12名
 
１　開会挨拶　（志村副会長挨拶）　
２　議題
【議題：就労支援専門部会からのテーマについて意見交換】（資料第1号）
アンケートの説明（就労支援専門部会事務局より）
昨年度、仕事について、「職場での理解を得るのが難しい」等のご意見を伺った。
今年度の就労支援専門部会では、検討テーマのひとつとしている『職場での理解』について、具体的にどんな理解や配慮をしてほしいか、また、職場での経験などを伺いたい。
※事前に送付しているアンケートに沿って各委員に発表していただいた。
（１）仕事をするとき（していたとき）に、職場で自分の障害のことを理解していて欲しいと思う人はだれですか？（いくつでも番号に〇をつけてください）
①	人事担当者
②	直属上司
③	同僚社員（直接仕事を一緒にする人）
④	パートやアルバイト（直接仕事を一緒にする人）
⑤	全社員（直接仕事を一緒にはしないが、同じ会社で仕事をしているパートやアルバイトを含めたすべての人）
⑥	来客者や取引先
⑦	その他
回答（集計）
①	
人事担当者	②	
直属上司	③	
同僚社員	④	パートや
アルバイト	⑤	
全社員	⑥	来客者や
取引先	⑦	
その他
5人	5人	5人	4人	4人	2人(にん)
2人(にん)

⑦その他の回答
・学校近隣の住民（視覚障害であること、盲導犬を同伴しての行動を理解して欲しい）
・家族（自営業のため、家族の理解があった）
【委員意見（抜粋）】
○障害があることを知らせないままでいるよりも、知らせることが大事だと思う。
○障害があることをあえては言いづらい。ただ、何かあった際、知っていて欲しい。
○教師という職業柄、障害があることは言いづらい環境だったため、知らせなかったが、今、振り返ってみると同僚には知っていてもらってもよかったと思う。
直接一緒に仕事をする人には、障害の理解をしてほしいとの意見が多い。
しかし、障害を伝えても、職場の人達から理解は得られていないと感じる事や、障害を言いづらい雰囲気の職場(職業)もあった。
（２）仕事をするとき（していたとき）に自分の障害のどういったことを理解して欲しいとおもいますか？
回答（抜粋）
○足が不自由なため、立ち仕事ができない。長時間の立ち仕事は難しい。
○手が不自由なため、単純な作業でも時間がかる。重い荷物など持てない。
○会話に即答できないため、電話対応ができない。
○人の顔が覚えることができない事（相貌失認）を理解してほしい。
○難病は、見た目では判断しにくく、言わないと伝わらない。（難病は、原因不明の病気が多く、病気の説明も難しいため理解がなかなか得られない）
○視覚障害のため、学生たちの様子を見て対応・指導することができないこと。
○物事を最後までやりとげることができない（苦手な）遂行障害があるようなので、とっさに複数の指示（5つ以上）を言われると全部頭に入らない。
そのことや、機転が効かない面も含めて理解し、配慮してもらえると助かる。
○大人数の職場や、新しい場所や仕事内容だと慣れずに緊張してしまう。
○難しいことはわからないので、分りやすく説明してほしい。
障害によって理解して欲しいことは様々あるため、ひとりひとりの理解して欲しいことを知ることが大事である。
（３）就労を続けていく上で、配慮して欲しいと思う（思った）ことは、どういったことですか？（実際「助かる」と思ったことや、配慮がなく困ったことでも結構です。）
回答（抜粋）
（配慮してほしいと思う（思った）こと）
○視覚障害のため、学校から講師への情報の提供をスムーズに受け取ることができないこと（講師室内の掲示の情報など）
○妄想にもつながる思い込みや考えすぎ、深読みから、あえて気を配っていることが見当はずれだったりすることがある。厳しく注意するのではなく、理由を聞く余裕を持ってほしい。
○人と会話している時に、言葉が出てこなくてどもる。急かさないで最後まで話を聞いてほしい。
○やる事を一つずつ伝えてもらいたい。自分のペースで仕事をしたい。
○いじめられていた時、会社の人に助けてもらいたかった。気づいてもらいたかった。
（配慮がなく困ったこと）
○学生たちが、私の目が見えないことを利用して、授業中に飲食をしたり、教室から出て行ったりすることがあったこと。
（実際に「助かる」と思ったこと）
○出席の管理などの事務処理を他の先生が手伝ってくれること。
○近所の住民の方や地域の方々の理解と協力に助けられている。
○障害のことも含めて上司と様々な話をする。理解しようとしてくれていると思う。
○職場へは、電話一本で休みを取らせてもらえる。
○重い荷物の持ち方や仕事上のコツをいろいろ教えてくれた。
【委員意見】
○障害を持った後で、仕事を経験したことがなくよくわからない。
○配慮してくれる人の心の余裕（気分や生活状況、経済状況）で、配慮は大きく左右されると感じる。
○企業（営利・非営利など）によっても配慮には違いがあると思う。
仕事に時間がかかることに対する理解や複数の指示を受けるのは難しいことなどに対する配慮には工夫が必要である。しかし、配慮には、配慮する周りの人達の気分や状況、職場の環境によって、違いが大きいと感じるとの意見もあった。

（４）仕事で困ったときは、誰に相談しますか？
回答（抜粋）
○持ち帰って考えられる事については家族、そうでない事については、同僚や上司
○家族（娘やお母さん）
○文京区の障害福祉課
○仕事の内容（業界）に詳しい人、関係者
○同僚の講師の先生（同僚に相談し、意見や考えをまとめてから上司へ相談していることが多い）
○社長（障害者に理解があり信頼している）
○施設の職員（施設に求人がきて始めた仕事のため、社長や地域も含めて仕事をよく知っているので）
○ホームの世話人、職場の指導員さん

（５）仕事について自由に思うことを書いてください。
回答（抜粋）
○自分にあった仕事が見つからなくて困っている。以前の仕事（臨床検査技師）がしたい。
○視野を広げて今の福祉施設の仕事を発展させたい。
○効率化を求める職場では、現実的に障害を持っていることのハンデは大きいと考える。
雇用の促進や、待遇の改善には、障害者を雇用した方が、会社のプラス部分が大きいと考える経営者を増やすことが必要。それには、法人税の優遇や、長期での助成金・補助金を充実させる必要があると思う。
○障害があることでできない、あるいは時間のかかることはあるが、ちょっとした周りの方々の協力（相互理解）があれば、かなり多くの職種に就くことができると思う。
○障害があるからこそできる仕事（ピアカウンセラーや体験談発表や講師など）をもっとやりたい。体験談発表の仕事は、プライベートを切り売りしている面もあるが、体験者の言葉には重みがある。それが精神障害への理解・啓蒙となってお金が入ってくるなら、もっと、この仕事（「語(かた)リーベ」）をしたいと思う。そして、この種の仕事が増えて、数多くの障害者が仕事をして障害について前向きに考え、輝いていけたらとも思う。
ただ、スケジュール管理やレジュメ作り、各方面に資料を配るなどの準備（「就活」）は大変である。
○今の仕事を続けたい。異動により仲間が変わるので新たに仲間を作りたい。
○仕事を見つけて、働いて、給料がほしい。
○人と出会い、交流をして信頼関係をつくっていくことが大事だと思う。
仕事をしている人は、今の仕事を継続していきたいという意見が多い。そのためには、配慮のほかにも、ワーキングシェアの有効活用などの企業への障害者雇用促進の取り組みが必要である。

【自立支援協議会会長より】
・ある事業所では、働いている障害のある人達からの声を受けて、複数の指示など記憶することが難しい人に対して構造化（写真に撮るなどして視覚化）などの工夫を行った。それにより、当事者だけでなく、職場全体にミスが減り、品質の向上につながった例がある。どんな工夫をしたら働きやすい環境になるのか、自分ならどんな会社にしたいかなど、障害のある人達からの意見や工夫を発信していくことはとても大事である。
・就労支援を考える上で、生活全般を含めて支援のあり方を考えることが重要である。
・協議会からも、障害のある人達の特性を考慮した働き方(ワーキングシェア)など障害者が充実して働くことができる取り組みを広めていきたい。

【就労支援専門部会長より】
・定期的に相談できる機会を設けるなど、上司が気にかけることで就労の継続が望めると思う。
・職場には、障害のある人にどう接してよいのかわからない人が多い。職場体験を通じて、障害に対する理解や必要な配慮をわかってもらうこともできると思う。

３　その他　就労支援専門部会報告及び今後の予定について　（資料第2号）
　＜第2回就労支援専門部会＞
平成26年12月10日（水）午後3時～4時30分　シビックセンター3階 AB会議室
・就労支援専門部会との意見交換の結果報告
⇒四方田委員と天野委員が出席し、意見報告をしていただきます。

　　＜第3回障害当事者部会＞（平成27年2月の木曜日予定）
・権利擁護専門部会との意見交換
⇒権利擁護専門部会からの質問について、意見交換をします。
部会の時間、会場等の詳細は、後日、開催通知にてご連絡します。

＜第3回権利擁護専門部会＞（平成27年2月頃予定）
・権利擁護専門部会との意見交換の結果報告
⇒障害当事者部会より2名出席し、報告をしていただきます。

＜第3回文京区障害者自立支援協議会（親会）＞（平成27年3月中旬から下旬予定）
・各専門部会との意見交換の結果報告
⇒障害当事者部会の部会長が出席し、報告をしていただきます。