文京区障害者地域自立支援協議会 第2回障害当事者部会 要点記録 【日時】平成25年11月7日(木) 13時から15時まで 【会場】障害者会館C会議室 【出席者】志村 健一(自立支援協議会副会長) 久米 佳江(区民公募) 犬伏 正好(区民公募) 土屋 功子(だんござかハウス推薦) 石岡 美佐子(小石川福祉作業所推薦) 小和瀬 芳郎(エナジーハウス推薦) 竹間 誠次(権利擁護部会推薦) 蜂須 米雄(就労支援専門部会長) 石澤 清光(就労支援専門部会事務局) 石井 裕子(就労支援専門部会事務局) 渡邊 了(障害福祉課長) 以上 11名 1 開会挨拶 (障害福祉課長)  2 志村副会長挨拶  3 議題 【議題1:部会長について(資料第1号)】 今回も欠席者がいるため、委員全員が揃った時に決めるという前回同様、第3回にて決める、という認識の確認を行った。  【議題2:就労支援専門部会との意見交換】   ○近年の障害者雇用の状況について報告(蜂須就労支援専門部会長より)     (現状)     @障害者雇用率が今年の4月より、1.8% から 2.0% へと変更になった。     その影響もあって、障害者雇用をしたいと考える企業が増えている。 (障害者の求人数は去年に比べると1割超増)      一方で、一般企業で働きたいと考える障害者数は去年とさほど変わらず(微増)              ↓ 意欲のある企業が増えてきているということ 障害者雇用率とは… ある程度大きな企業は、従業員のうち一定の障害者を雇うことが義務付けられている。              障害者雇用率2.0%ということは、100人の従業員がいればそのうち2人は障害者を雇わなければならないということ。     A6月19日に就職の面接会を行った。 参加者:求職者(仕事を探している人)1083名、企業 260社           ↓ <そのうち仕事が決まった人(内定)> 185名(全体の12.5%) ⇒10人に1人以上が仕事を見つけられたということ 採用基準が下がってきていると言える      (まとめ)      働きたいと考える障害者にとって、今は仕事が見つかりやすい、 良い時期ということが言える。   ○意見交換のテーマについての説明(資料第2号) (就労支援専門部会事務局・石澤就労支援センター長より)           ●生活は、「仕事以外」+「仕事」で成り立っている。 仕事以外とは、「朝起きる」、「ご飯を食べる」、「寝る」、「趣味」、「飲み会に行く」など。生活の中には、これらの行動と仕事の両方が含まれている。 このことを踏まえて、就労支援専門部会が聞きたいことは、以下の3つである。 @ 委員の方は、仕事がある生活とない生活、どちらがいいと考えているのか。 (仕事を含めて、生活全体をどう過ごしたいと考えるか) A 仕事がある生活がいいという人は、 仕事が占める割合は大きい、小さい、どちらがいいのか。 (「仕事」は生活の中でどのような位置づけにあるのか) B 仕事以外でやりたいことは何か。     *会議は、事前に委員に送付したアンケートに沿って質問し、各委員に発表していただく形式で進めていく。 1現在の就労状況について(事前アンケート問1)    ・ 働いている方 … 2名  ・働いていない方 … 4名 ≪働いている方の仕事内容≫  ・清掃業(週5日、1日7時間)     ・雑貨食料品店店員(週1日、1日3時間) ・ピアカウンセラー(月1日、1日2時間)          ↓   (委員意見)・仕事は楽しく、とてもやりがいがある。          ・一日当たりの時間が短いので、働きやすい。また、体調が悪ければ休ませてもらえる。周りの理解があり、うれしい。         ・仕事を決めるまでに時間がかかったので大変だったが、障害者就労支援センターにも相談しながら、最終的には自分で決めた。 ≪現在働いていない方が過去にやったことのある仕事内容≫    ・呉服販売(週5日、1日7時間)    ・臨床検査技師(週5日、1日8時間)    ・福祉センターのエレベータ−ボーイの仕事(週5日、1日8時間、時々土曜昼まで)    ・人材派遣で倉庫のピッキング(週1日、1日8時間)    ・製本業(週6日、1日8時間)            他、箱の組み立て作業、高校の非常勤講師、スーパーのレジ等               (委員意見)・障害を理由に雇ってもらえないのではないかと思い、障害のことは職場に言わずにいた。        ・作業に時間がかかるという理由で、仕事をクビになったことがある。           今後仕事を希望するかについて     はいと答えた人(3人)      希望する働き方や仕事の意見        ・グループホームの仕事        ・足が弱いので、座ってできる仕事がいい        ・手先を動かす仕事やモノづくりの仕事がしたい        ・福祉の仕事がしたい        ・体調が悪いことも多いので、適宜休みが取れるといい            いいえと答えた人(1人)      その理由        ・電話対応が出来ない場合や意思疎通がうまく図れない場合は応募しても断られてしまうため、諦めてしまっている   (まとめ) ・好きなことが仕事になるのは素晴らしいこと。 ・地域の中で障害や病気のことを理解してくれる人がいるということはとても良い。そういった人たちを増やしていくことも大切。 2仕事について思うこと・感じること(事前アンケート問2意見抜粋) ・働いてお金がもらいたい。給料もらえたら楽しいと思う。給料をもらったら自分の好きなものを買いたい。 ・現在の仕事にやりがいを感じており、楽しい。これからも続けたい。 ・できないことが多いので、自分に合う仕事があるか不安。 ・昔いじめられたことがあるので、いじめられるのが怖い。 ・足の力が入らないので立ったままの仕事ができない。また、混んでいる電車では座れないので、仕事する場所は近いところがいい。 ・重度の知的障害者の支援について興味があるので、いずれは重度の方専門のグループホームを作るのが夢。軽度の障害者が重度の方を見るというような、当事者同士での支援ができるような仕組みづくりをしたいと考えている。 ・職場では自分の障害のことをオープンにしているが、周りの理解があって嬉しい。一日当たりの働く時間も短く、体調が悪ければ電話すれば休ませてくれるので、働きやすい。 ・休みたいときに休みをもらえるなど、言いたいことが言える仕事があればいい。 ・障害を持っていなければやれない仕事がしたい。(ピアカウンセラー等) ・本当は以前の仕事がしたいが、電話しながらメモを取るということが難しいため、戻るのは難しいのではないかと思う。自分に合った仕事があればやりたい。 ・仕事は時間の切り売りだと思う。仕事をすることにより、他のことや楽しいことが出来ないのはつらい。(今日は通所先の施設で昼食会があったのだが、自分はこの会議に行かなければならないため、カレーライスが食べられなかった)自立支援協議会も仕事と思っている。   (まとめ)    ・障害があるからこそできる仕事、障害があるためにできない仕事、両方あるという意見があった。自分に合った仕事を見つけるのは大変なことだが、そういった仕事に巡り合える人はとても幸せ。    ・障害に関わらず、自分にできることは何かと考えている人は多いことが分かった。障害者が自分に合う仕事を見つけて給料をもらえる、という世の中の仕組み作りができるといい。 3仕事以外でやりたいこと(事前アンケート問3) ・サークル活動や社会参加 ・知的障害者介護施設でのボランティア活動 ・買い物 ・友人との付き合い ・恋愛・結婚 ・近場の旅行 ・車の免許を取って、運転したい ・家から出て自立したい(グループホームに入居したり、お金を貯めて一人暮らししたい) ・色々な人との交流を深めることで、色々な考え方や暮らし方について考えたい 4その他アンケート内容についての意見 ・仕事をすればお金がもらえるしやりがいもあるが、時間や友人との付き合い等失うものもあるのではないか。どちらを優先させるのかは難しい。 ・給料をもらえたら自分の服や靴を買いに行きたい。だが選んだり試着するときにうまく言葉で説明が出来ないので、買い物がしにくい。 ・企業側の理解を進めてほしい。採用する側(上司など)しか障害のことを分かっておらず、現場の人は分かっていないようなこともある。そうなると障害者はその現場ではとても仕事がしづらい。現場まで周知を徹底してほしい。 5会議中の質問等について Q 職場で障害のことをオープンにしたとして、どの程度の方までが理解してくれるのか。 A(蜂須就労支援部会長より)   ・特例子会社は障害者だけが働く場所。フォロー体制もしっかりしている。   ・一般企業となると、採用面接で人事が採用すれば仕事が始まるが、その配属先によって理解の差があるのが現状。しっかりと現場の人まで情報が伝わっている企業もあれば、そうでない企業もある。 ・文京区のように就労支援センターが介入していると、7割以上の人が1年は継続して働いている。障害を言わずに就職した場合だと、2,3日で辞める人が多い。1年以上続くのは2割いかないのではないか。 ・長く仕事をしたいのであれば、就労支援センターを利用しながら、障害をオープンにして働いてもらった方が良い。 Q 仕事をする際に精神障害と伝えてしまうと、人材派遣の要請が来なくなってしまうのではないかと心配。ハローワークの方(蜂須部会長)が冒頭で就労状況についての話があったが、スポットでの雇用(1回限りの仕事)はどのような状況なのか。 A (蜂須就労支援部会長より)ハローワークではスポットでの仕事の紹介はしていない。長いスパンでの仕事がメインとなる。 6自由意見(事前アンケート問4) ・前もって考えてくることが出来るので、事前のアンケート方式は良かった。他の部会が何を聞きたいのかが分かりやすい。自由意見を言う時間は減るが、各委員が公平に発言することが出来る。 ・この部会では色々な障害のある人の意見を聞くことが出来て興味深い。同じ障害の人でも意見が違うので面白い。 ・精神障害者の雇用について書かれた雑誌の編集後記について、その内容が批判され撤回されたことがあった。だがこれが企業側の本音だと思っていて、いくら言葉を撤回したとしても実態は変わらない。撤回せずに、言いたいことが言える世の中の方が良いのではないかと思う。   渡邊課長意見     「言論の自由という側面と公共の福祉という側面の問題がある。     個人の言論の自由については憲法でも保障されているが、マスメディアを通して何かを発信するには倫理的な部分も伴う。その発言する人の立場によって、言えることと言えないことが出てくるのは仕方ないことではある。」 4 その他 @ 就労支援専門部会(日程は未定)での報告者について    ・今回障害当事者部会で話したことを、就労支援専門部会で発表する人2名決めたい。      ⇒土屋さん、久米さんに出席していただく。   2次回日程について    ・来年1月9日(木)か1月16日(木)13時頃からの予定。 決定後、別途通知文を送付する。