更新日:2023年6月22日
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2011年に初めて特定された新しいウイルス(SFTSウイルス)による感染症です。
日本では2012年に発生した症例が2013年1月に初めて報告されました。その後、九州、四国、中国、近畿を中心に患者が報告されています。
ウイルスを有するマダニに咬まれることにより感染します。多くの場合、マダニに咬まれてSFTSウイルスに感染すると考えられますが、マダニに咬まれた痕が見当たらない患者もいます。
最近の研究で、SFTSウイルスに感染し、発症している野生動物やネコ・イヌなどの動物の血液からSFTSウイルスが検出されています。このことは、SFTSウイルス感染している動物の血液などの体液に直接触れた場合、SFTSウイルスに感染することも否定できません。
潜伏期間は6日~2週間程度です。主な症状は発熱と消化器症状(おう吐、下痢など)が中心で、倦怠感、リンパ節のはれ、出血症状なども見られます。致死率は6~30%といわれています。
特別な治療法はなく、症状に応じた対症療法が行われます。
マダニに咬まれないように気をつけることが重要です。これは、SFTSだけではなく、国内で毎年多くの報告例がある、つつが虫病や日本紅斑熱など、ダニが媒介する他の疾患の予防のためにも有効です。特にマダニの活動が盛んな春から秋にかけては、マダニに咬まれる危険性が高まります。草むらや藪など、マダニが多く生息する場所に入る場合には、長袖・長ズボン(シャツの裾はズボンの中に、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れる、または登山用スパッツを着用する)、足を完全に覆う靴(サンダル等は避ける)、帽子、手袋を着用し、首にタオルを巻く等、肌の露出を少なくすることが大事です。服は、明るい色のもの(マダニを目視で確認しやすい)がお薦めです。DEET(ディート)という成分を含む虫除け剤の中には服の上から用いるタイプがあり、補助的な効果があると言われています。また、屋外活動後は入浴し、マダニに刺されていないか確認して下さい。特に、首、耳、わきの下、足の付け根、手首、膝の裏などがポイントです。
マダニ類の多くは、人や動物に取りつくと、皮膚にしっかりと口器を突き刺し、長時間(数日から、長いものは10日間以上)吸血します。
無理に引き抜こうとするとマダニの一部が皮膚内に残って化膿したり、マダニの体液を逆流させてしまう恐れがありますので、医療機関で処置を受けてください。
また、マダニに咬まれた後は体調の変化に注意し、発熱等の症状が認められた場合は医療機関を受診してください。
保健衛生部・文京保健所予防対策課感染症対策担当
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