年賀会区長挨拶（令和6年1月5日）

新春を迎えて

令和6年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

文京区年賀会は、昨年は形式を変更しての実施となりましたが、本日は令和2年以来4年ぶりとなる通常形式での開催となり、このように皆様と新年を寿ぐことができることを、大変嬉しく思います。皆様方には、日頃より区政に対しまして、格別なご支援とご協力をいただいておりますことに、厚く御礼を申し上げるとともに、本年も、お力添えを賜りますようお願い申し上げます。

R6能登半島地震について

まずは、1月1日に発生した石川県能登地方を震源とする巨大地震により、被害に遭われた皆様に、心からお見舞い申し上げるとともに、被災地の一日も早い復旧と復興を心からお祈り申し上げます。

本区では、文京梅まつりなどで事業協力関係にある能登町からの支援要請を受け、昨日、先遣隊として職員を向かわせたほか、東京都トラック協会文京支部と連携し、本日午後には、支援物資を載せた輸送トラックが出発する予定です。

今後も、被災地からの要請や現状を見極め、適時適切に支援を行ってまいります。

また、本日は、年賀会会場内には、募金箱を設置しております。ご来場の皆様からの温かいご支援をお願いできればと存じます。

なお、募金箱につきましては、シビックセンター1階受付のほか、区内9か所の地域活動センターなどにも設置しておりますので、地域の皆様にもご案内いただければ幸いです。

国の経済状況と区政運営

さて、我が国の景気は、実質GDP成長率が3期ぶりにマイナスとなり、このところ一部に足踏みもみられますが、緩やかな回復を見せています。今後も、雇用情勢や所得環境が改善する中で、各種政策の効果により、緩やかな回復が続くことが期待されますが、世界的な金融引締めに伴う影響や海外景気の下振れ、物価上昇、中東地域をめぐる情勢の影響等に留意する必要があり、依然として予断を許さない状況にあります。

私は、区政をお預かりしている者として、こうした動向を注視しつつ、全ての区民の皆様が安心して住み続けられる、活力あふれる地域社会を築けるよう、全力を尽くしていく所存です。

令和6年度予算・区民サービスの向上

次に、令和6年度予算についてですが、今後も変化を続ける社会に迅速かつ柔軟に対応し、区政課題の解決に向けた多様な施策を展開してまいります。

その主な施策といたしまして、まず、新型コロナウイルス感染症の影響で中止・縮小していた、地域活動の再開を促進するため、地域コミュニティ事業の再開等に対する補助を継続するとともに、町会・自治会が様々な地域活動団体と連携して実施する事業に対し、追加補助を行うことで、担い手不足の解消を図ってまいります。

さらに、原材料費高騰等の影響を受ける区内商店に向けた「がんばるお店応援キャンペーン」を実施し、店舗による顧客還元サービスを支援することで店舗の利用を促進し、商店街の活性化を図るとともに、補助対象に地球環境に配慮した取組にかかる経費を加えることで、サステナブルな取組を後押しし、地球温暖化対策を推進してまいります。

次に、子育て施策としては、昨年のモデル事業を踏まえ、幼稚園・保育所等において、未就園児の定期的な預かり事業を実施する保育所等運営事業者への補助を行うことにより、在宅子育て家庭の保護者のリフレッシュの機会や児童の発達を支援するとともに、定員に満たない園の安定的な運営を図ってまいります。

また、災害対策としては、在宅避難の更なる推進のため、防災アドバイザー派遣事業に、在宅避難の訓練メニューを新たに追加することに加え、在宅避難の必要性を恒常的に学習できるVRコンテンツを作成し、各種訓練で活用してまいります。さらに、緊急時における救命率向上のため、中高層共同住宅の管理組合等が24時間使用可能な場所にAEDを設置する場合に、その導入費用等を助成してまいります。

次に、文化・観光施策としては、日本・トルコ外交関係樹立100周年及び文京区・ベイオウル区友好都市提携10周年を迎えることから、令和6年度から7年度にかけて様々な記念事業を実施し、提携都市の認知向上と区民の国際理解の定着を図ってまいります。さらに、コロナ禍で減少したインバウンド需要の喚起に向け、ナイトライフ観光モデルコースの作成や特設サイトの開設等によるPRや、展望ラウンジの観光拠点化等を実施してまいります。

また、区政運営に当たっては、区民の皆様との協働を一層推進し、多様なご意見を伺ってまいります。その一つとして、区が設置している委員会や審議会等において、地域活動団体から委員を推薦いただく際には、女性委員の登用について、特段のご配慮をお願いしたいと存じます。国連で採択された「持続可能な開発目標（SDGs）」や男女平等参画社会の実現の視点からも、よろしくお願い申し上げます。

なお、区の行政計画である「文の京」総合戦略は、計画期間の最終年度を迎えており、現在、改定を進めているところです。次期総合戦略においても、経済・社会情勢を踏まえて、施策や事業を柔軟に組み替えていくことで、「変化の時代」に対応しながら、将来にわたり持続可能で豊かな地域社会を構築してまいります。