更新日:2024年10月29日
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アルコール健康障害対策基本法では、国民の間に広くアルコール関連問題に関する関心と理解を深めるため、11月10日から16日までをアルコール関連問題啓発週間と定めています。
お酒は私たちの生活に豊かさと潤いを与えるものである一方、不適切な飲み方をすると身体と心の健康を害するだけでなく、飲酒運転などの社会的問題にもつながります。
この機会に正しいお酒との付き合い方を見直しましょう!
体内に摂取されたアルコールは、胃および小腸上部で吸収し、肝臓で分解され、全身の臓器に流れていきます。飲酒後、アルコールの血中濃度のピークは30分~2時間後に現れますが、分解速度は個人差が大きいことが知られています。女性や高齢者は、成人男性に比べて分解速度が遅いことがわかっています。
お酒に含まれる、「酔い」などの効果をもたらす物質がアルコールです。アルコールには神経を麻痺させる働きがあり、少量なら気持ちをリラックスさせるなどの作用がありますが、適量を超えると記憶をなくしたり、時には呼吸中枢の麻痺によって死に至るようなこともあります。過度な飲酒が続くことで、身体的問題が起こりやすくなるだけでなく、こころの問題を招く恐れもあります。
このほか、過度な飲酒は、飲酒している本人の健康だけでなく、暴力や虐待といった形で周囲の人にも影響を及ぼすことがあります。特に、飲酒運転の問題は大きな社会問題となっています。
また、これらの様々な問題は、飲酒するあなただけの問題ではなく、あなたの大切な家族や周囲の人々にも広がっていきます。
飲酒による影響には個人差があり、年齢、性別、体質等の違いによってそれぞれ受ける影響が異なります。同じ人であってもその日の体調等によって酔い具合が異なりますので、自身の適量を知り守ってください。
(1)年齢の違いによる影響
高齢者は若い時と比べて、体内の水分量の減少で同じ量のアルコールでも酔いやすくなる。
(2)性別の違いによる影響
女性は、一般的に男性と比較して体内の水分量が少なく、分解できるアルコール量も男性に比べて少ない。また、エストロゲン等の働きによりアルコールの影響を受けやすい。
(3)体質の違いによる影響
アルコールを分解する体内の分解酵素のはたらきの強い・弱いなどが個人によって大きく異なる。
アルコールの体や精神に対する影響は、飲んだ酒の量ではなく、摂取した純アルコール量が基準となります。
厚生労働省が令和6年に公表した「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」によると、生活習慣病リスクを高める飲酒量は1日当たりの純アルコール摂取量に換算して、男性で40g以上、女性で20g以上とされています。
(出典)健康に配慮した飲酒に関するガイドライン(厚生労働省)(PDF:266KB)
純アルコール量20gの目安
アルコール量の算出方法:グラム(g)=酒の量(mL)×アルコール度数(%)÷100×0.8
アルコール度数によって、純アルコール量20gに相当する量は変わります。アルコール度数が高いお酒は飲む量に注意しましょう。
お酒の健康への影響は、疾患ごとに異なります。健康に配慮した飲酒に関するガイドラインでは、高血圧やがんなどの病気ごとに、どの程度飲酒をすると発症リスクが高まるか純アルコール量で目安が示されています。
我が国における疾病別の発症リスクと飲酒量(純アルコール量)
(出典)健康に配慮した飲酒に関するガイドライン(厚生労働省)(PDF:266KB)
飲酒による疾患への影響については個人差があります。また、飲酒の影響を受けやすい体質である場合などには、より少ない飲酒量(純アルコール量)とすることが望まれます。
飲酒をする場合には、どのような影響があるか、自分にあった飲酒量を決め、健康に配慮した飲酒を心がけましょう。
厚生労働省は「健康日本21」の中で、「節度ある適度な飲酒」とともに「多量飲酒」にも明確な定義を与えています。「多量飲酒」とは、1日平均60g以上(6ドリンク以上)の飲酒です。アルコール関連問題の多くはこの多量飲酒者が引き起こしていると考えられます。
AUDITはWHOによって開発された問題飲酒者のスクリーニングテストです。多くの国々で飲酒問題の早期発見・早期介入のツールとして使われています。今回は、その簡易版であるAUDIT-Cにチャレンジしてみましょう。
選択肢の数字を点数として計算してみましょう!
問題飲酒のスクリーニングはほかにも多くの種類があります。より詳しいテストで判定してみましょう。
(参考)依存症スクリーニングテスト一覧(久里浜医療センター)(外部リンク)
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