更新日:2023年4月14日
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小石川台地の東端に造られた公園で、東京メトロ丸ノ内線「後楽園」駅の北側に位置し、周辺には小石川後楽園、東京ドーム、中央大学、文京シビックセンターなどがあります。かつてこの一帯は軍用地でしたが、戦後、都営住宅・中央大学・戦没者慰霊堂・公園用地に分割されました。昭和39年、東京都が公園を造成し、翌年、区に移管されました。
公園は、高低差をいかした3段の構造で、下段は2本の大きなケヤキを中心にした広場です。中段は池と花壇のある憩いの空間で、後楽園駅の位置口と直接つながっています。上段はブランコや健康器具のある遊び場になっています。中段と上段をつなぐ階段には、高さ10mに及ぶカスケードがあり、公園のシンボルになっています。
イタリア・ルネッサンス様式を参考に、垂直に立つ鉄平石張りの壁面に造られています。水を吹き出すブロンズの獅子や羊の彫刻と、ローズマリーの植栽が、西欧の雰囲気を放っています。
3段構成の公園の中段には、八重桜が植えられています。「関山」という品種で、晩春に濃紅色の大きな花が開きます。上段には染井吉野が植栽されています。
八重桜「関山」
ハゼノキは、ウルシ科の落葉広葉樹です。6月に黄緑色の小さな花を多数つけ、秋には葉が燃えるような朱色に変わります。果皮には、和ろうそくやポマードに利用される蝋が含まれています。
童謡『小さい秋みつけた』(サトウハチロー作詞)の中で、3番の歌詞のモデルになったハゼノキは今、礫川公園に植えられています。平成13年(2001年)、サトウハチロー記念館跡地から、高さ1mほどの切り株の状態で移植されました。当時わずか5本しかなかったひこばえは成長し、現在は秋になると見事な紅葉を見せてくれます。
移植当時(平成13年10月)のようす
移植から6年後(平成19年)の紅葉のようす
4月下旬から5月上旬頃の葉陰に見える白い苞が、ハンカチのように見えることから「ハンカチノキ」と呼ばれています。原産地の中国では、白い鳩の姿になぞらえて「鳩子樹」とも呼ばれます。属名は''Davidia''といい、この木を初めてヨーロッパに紹介したフランス人神父アルマン・ダビッドの名に由来するそうです。彼は、ジャイアントパンダを初めて紹介した人物としても知られています。
ハンカチノキ
礫川公園のハンカチノキは、平成14年(2002年)、礫川公園に移植されました。区内在住の作家である青木玉さんから、「うちにあるより、多くの皆さんにご覧いただいた方が、この木も喜びましょう。」とご寄贈いただいたものです。青木さんは随筆『こぼれ種』の中の「縁あるもの」で、この木が初めて白い苞を見せたときの思い出などを書き綴っています。
礫川公園には、3つの花壇があります。
カスケードの前の、文京区紋章の形に造られた花壇、そして丸ノ内線「後楽園」駅入り口の横にある花壇には、区民の方々によって季節の花が植えられ、通る人を楽しませてくれます。
また、北東側の都営住宅に面した花壇は、文京区ゆかりの文人・宮沢賢治(1896~1933)が残したデザインに由来します。賢治は大正10年(1921年)に上京して本郷菊坂町に住み、謄版印刷の仕事につきながら童話創作に励みました。故郷に戻ってからは、農学校で教鞭をとる傍ら「涙ぐむ目(tearful eye)」などの花壇を設計しました。賢治が文京区に住んでから90年目にあたり、彼の設計図をアレンジした花壇植栽を行いました。
カスケード前の花壇
丸ノ内線「後楽園」駅入り口の横にある花壇
宮沢賢治が残した「涙ぐむ目(tearful eye)」に由来したデザインの花壇
所在地:文京区春日1-15
地下鉄丸ノ内線、南北線「後楽園」駅徒歩1分
都営地下鉄都営三田線、大江戸線「春日」駅徒歩3分
JR「水道橋」駅徒歩15分
土木部みどり公園課
〒112-8555 東京都文京区春日1丁目16番21号
文京シビックセンター19階北側
電話番号:
03-5803-1252
ファクス番号:03-5803-1361